ゴリラやチンパンジーと比較し浮気を科学
わかっているのか、わかってないのか、中3男子。ニコニコしながら真剣に聞き入っている。そこですかさず龍崎さんは、語りに緩急をつける。
「恋愛中は熱病のような状態になるんですけど、、、終わります。終わるんです」
ドーパミン優位の興奮状態のような恋愛関係は数年しか持続しないので、そのあとも関係性を維持するためには、安らぎや癒やしをもたらすオキシトシンというホルモンが豊かに分泌されるような関係性に移行していく必要があると説く。オキシトシンは、信頼できる相手との会話やスキンシップによって分泌される。
さらに、浮気を科学する。ゴリラとチンパンジーとヒトの、精巣のサイズやペニスの形状を比較して、それぞれの種におけるオス・メスのパートナーシップの違いに着目する。ヒトはもともと乱婚的であった可能性が高いと推測されるのだ。
「乱婚ということは、浮気をするのはオスだけじゃないですよ。メスもします」
「やべー」
「やべー、じゃない!」
「だからって、浮気を肯定しているわけではないですからね。大問題になりますからね。よく考えてください」
そこで生徒が手を挙げる。
「先生、ここでの浮気っていうのは、風俗も含まれていますか?」
「うーん、そうじゃないかな。日本では性風俗産業が活発です。夫婦のセックスレスの多さとも関係があるかも。その問題は次回以降にやります」
龍崎さんに授業の意図を聞く。