これまでかなりの数の男性のプロフィールを見ましたが、女性に年収条件を求めている人はそれほどいません。女性とは逆に、高額年収の相手を避けたり、自分を超えない年収を求めたりというのがよく見るパターンです。

 男性側からの年収条件は、出会いのハードルにはなりにくい傾向があるといえるでしょう。

 とはいえ、こんな例もありました。実際にメッセージをやりとりした男性(60代)から聞いた話です。直近でやりとりをした女性2人とは自分の方からお断りをしたとのこと。理由は、2人とも無年金だったからです。離婚したあと生活が厳しく、年金保険料を払う余裕がなかったとのことで、年金受給額がゼロなのだということでした。

 男性はローンを終えた自宅もある人でしたが、さすがに自分の年金だけでは夫婦2人の老後は厳しいと考え、お断りしたようです。

 婚活サイト&アプリは、バーチャルなネット空間での集いです。そこで、自分の希望にあう条件で人を選別し、その中から相性のよさそうな相手の人となりを探っていきます。リアルに対面するのはそのあとです。この例の男性も、まずリアルの出会いで好意を持って…という順番だったならまた可能性があったのかもしれません。

 経済的に余裕をもって自立している女性はいますが、今の50~60代では少数です。自身の収入では老後の生活費をまかなえないときには、相手の年収にこだわるのもやむをえません。それでも、最初から条件を狭めすぎないほうがいいと私は思うのです。条件外の中に思いもよらぬよい相手がいるかもしれないからです。

 中高年世代の人生も意外と長いのです。2人でともに生きていくチャンスを逃さないでほしいと切に思います。

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水無月 モル
みなづき もる Webクリエーター。無茶な要求をしてくる中高年世代のクライアント相手に、日々コンテンツ作りに奮闘している。中高年向け婚活サイト&アプリ沼にハマった末に伴侶をみつけたことをきっかけに、みなが幸せになる情報発信に目覚めたアラフィフ。