「問題児」扱いから人気選手へ
中田は北海道日本ハムファイターズ時代の2021年8月4日に当時在籍していた後輩選手に暴行を働いたことで球団から出場停止処分を受け、その16日後に巨人へ無償トレードで電撃移籍。これをもって日本ハム側から科せられていた出場停止処分も解け、新天地で公式戦出場を重ねたが当初は凄まじいバッシングにさいなまれていた。
ところが巨人で活躍を続け、主力として欠かせない存在になっていくと移籍当初に飛び交っていた批判の嵐はほぼ沈静化。今オフにさらなる出場機会を求めて巨人との複数年契約を自らオプトアウトし、他球団移籍の道を選んだ際にはネットやSNS上でG党の多くから「今までありがとう」などと感謝のコメントが多々書き込まれていたほどだった。
一方、2020年サイ・ヤング賞右腕のバウアーもロサンゼルス・ドジャース在籍時代、性的暴行などの被害を受けたと女性から訴えられたことで2021年7月にMLB機構側から制限リストに入れられ、メジャーリーグで324試合の出場停止処分を通告された。2022年4月に証拠不十分で不起訴処分となったが、MLB側からの出場停止処分は194試合に軽減されたものの解除されず、翌2023年1月にドジャースを自由契約に。
そして同年3月に日本のDeNAに移籍を果たしてからは長期ブランクに加えて5月からの一軍合流となりながらも初のNPBで見事にアジャストし、10勝4敗、防御率2.76の好成績をマークした。
日本への移籍当初は性的暴行の醜聞や「スプーキー(変わり者)」と呼ばれていた一面がクローズアップされたことで、バウアーへの風当たりもかなり強かったが、終わってみればすっかり「ベイスターズの人気者」となっていた。今年10月2日には被害を受けたと提訴していた女性とも和解が成立し、民事上でも晴れて“無罪放免”となっている。