自由契約となった楽天・安楽智大投手(写真:共同通信社)自由契約となった楽天・安楽智大投手(写真:共同通信社)

許しがたいパワハラの数々

 日本球界に大きな汚点を残した。プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスに所属していた安楽智大投手が後輩選手たちにパワハラ行為をしていたことが発覚。安楽本人は球団側から自由契約とされ、事実上の解雇となったものの今もなお、その激震は沈静化していない。

 ロッカールーム内で逆立ちさせながら下半身を露出させ、陰部に靴下を被せる。罵詈雑言の暴言を浴びせることなど日常茶飯事。他にも数万円単位の高額な罰金を課して徴収したり、酒席の誘いを断れば深夜の長電話で説教を浴びせたり…などなど。

 関係者や被害選手たちの話を総合すると、安楽が後輩選手に対して行っていたハラスメントの具体例は枚挙に暇がない。そのどれもが許し難く、極めて卑劣かつ悪質で陰湿なイジメだ。

 今回の問題は被害を受けていた選手の一部が意を決し、今オフの契約更改の場で安楽の蛮行を訴え出たことで表面化。11月25日に各メディアが安楽のパワハラ疑惑を一斉に報じ、事態を重く受け止めた球団側も即座に動いた。

 直後から球団側は自宅待機を命じていた安楽本人にヒアリング、選手や関係者ら137人にアンケート調査を実施し、その結果、パワハラ被害を訴えたのは10人で、見聞きしたのは40人いたことも判明。公になっていた数々のパワハラ行為を事実認定した球団は11月30日締め切りの契約保留者名簿に安楽を加えず自由契約選手とし、退団処分とした。