聞こえてこない最高指揮官の声

 そもそも安楽問題の根幹は本来ならば、こうしたチーム内の模範となるべき存在の田中が一連の蛮行を事実上看過してしまうような異常な環境が球団内で現存してしまっていることであろう。

 先に記述したように楽天のチーム内の“閉鎖的な空気”こそが、おかしいと思ったことを言えない、発展的な意見や改革案すら口にできない、というイレギュラーなヒエラルキーを作り出してしまっていると指摘せざるを得ない。

 だからこそ球界内の多くの関係者や有識者からは安楽問題に関し、今季まで指揮官を務めていたチーム前監督の石井一久氏に事情説明を求める声が今も絶えない。

今年、監督を退任した石井一久氏。今後は球団取締役シニアディレクターとして編成にあたることになっている(写真:共同通信社)今年、監督を退任した石井一久氏。今後は球団取締役シニアディレクターとして編成にあたることになっている(写真:共同通信社)

 石井氏は2018年9月に楽天の編成部門を統括する取締役ゼネラルマネージャー(GM)に就任し、2021年シーズンから取締役GM兼監督の「全権指揮官」としてタクトを振るった。今季からはGM職を離れて監督業一本に専念したが、2年連続でBクラスの4位に沈んだこともあって今オフに退任。来年からは球団取締役シニアディレクター(SD)に就任し、再び編成トップとしてフロント業務の要職に復帰することが決まっている。