田中はチーム内において常態化していた安楽のイジメの現場に何度か居合わせながらも注意しないどころか、一緒になって笑っていたこともあったと複数のメディアで報じられており、今も激しいバッシングを浴びている。

安楽問題に言及するも…

 実際に田中は1日に自身のX(旧ツイッター)を更新し、一連の安楽問題について初めて言及。「球団のみならず、自分もチームの年長者として、もっと後輩たちの様子に気を配り、気軽に相談され、問題があれば率先して注意すべきであった、意識が甘かったと反省しています」などとつづって謝罪したが、やや遅きに失した感は否めない。

 いずれにせよ、こうやって謝罪したということは少なからず安楽のハラスメント行為を見聞きしていたにもかかわらず自らが“スルー”していたことを暗に認めたとも見方によってはとらえられかねない。

 楽天イーグルスのレジェンド・田中は2013年にNPB記録となるシーズン無傷の24連勝をマーク。ニューヨーク・ヤンキースでも7年間で78勝を飾り、2021年から楽天に復帰後もチームの「顔」として屋台骨を支えている。

 ところが、今回の安楽問題では株を著しく下げ、かつての栄光にも泥を塗ってしまった。プロ18年目の来季は残り3勝となった日米通算200勝の金字塔達成がカウントダウンに入るが、せっかくの偉業も安楽問題の余波によって霞んでしまいかねない事態に陥っている。