Bリーグ仙台89ERSの会長を務め、今年8月から現職となったばかり。もともと球団を運営する株式会社「楽天野球団」に入社経験があり、取締役を経て同じ楽天グループを親会社とするサッカー・J1神戸へ出向し副社長も務めた後、昨年3月に一度退職していたが、古巣にUターンした。

 球団から一時離れて異なるプロスポーツ運営のノウハウを養い、広い視野を持つ森井社長だからこそ、今回のような不祥事発覚にも冷静な対応ができているのだろう。

 だが、その一方で安楽問題の発覚を受け、イーグルスには解決が急務な喫緊の課題も残されている。

田中将大投手にも向けられる批判

 楽天の球団内にはびこる“閉鎖的な空気”は今後どのようにして入れ替えられていくのか。安楽一人を“クビ”にしてフタをしただけでこの問題を終了できるはずもなく、そこは絶対に避けて通れない。

 この安楽問題が予期せぬ形で飛び火したのが、同じく楽天に所属する先輩の田中将大投手だ。

安楽智大投手によるパワハラ問題が飛び火し、SNSなどで批判を浴びている田中将大投手安楽智大投手によるパワハラ問題が飛び火し、SNSなどで批判を浴びている田中将大投手(写真:共同通信社)

 今オフ海外FA権を行使してMLB移籍を目指している松井裕樹投手が10月に通算500セーブを達成し、それを記念する投手陣の集合写真を撮影した時の映像がSNS上に出回っている。そこには3列目に並ぶ安楽が、最前列にいる若手選手の背中を後列から2度にわたって蹴り飛ばしている様子が映されている。

 そして同じ映像の中ではその様子を2列目に並んでいる田中がニヤニヤしながら黙認している姿も確認できることから、これが世間の批判を大きく買うことになってしまった。