マンションを買うなら建物の基本性能や居住性の高さもさることながら、将来的に資産価値の上昇が期待できる物件を選びたいもの。そのためには、どこに買うか立地選びも重要になってくる。首都圏で狙うとすればどのエリアが有望なのか、住宅ジャーナリストの山下和之氏がレポートする。(JBpress編集部)
中古マンション価格騰落率ランキングに登場する市区町村
マンション情報サイトの「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドでは、全国市区町村別の70m2換算の中古マンション価格のランキングを作成している。それと同時に、1年前、3年前、5年前、10年前と比較して、どのくらい価格が上昇しているかという騰落率のランキングも行っている。
どの市区町村の上昇率が高いのかをみれば、将来的な価格上昇の可能性もある程度予測できるだろうが、地域的に再開発が進んだり、新線・新駅が開業したりすれば、上昇率は時期によって大きく変動する。ある年は著しく上昇しても、3年前、5年前はそうではなかったといった状況が生じることが多い。
それだけに、1年前、3年前、5年前、10年前との騰落率をチェックして、その間、安定的に価格が上昇している都市を見つければ、今後も中長期的に資産価値の上昇が期待できるのではないだろうか。
そこで、ワンノブアカインドが発表した「マンションレビュー」(2023年11月全国市区町村 中古マンション価格/騰落率ランキング)をみると、【図表1】から【図表4】のようになっている。
1年前との騰落率ではトップに岩手県盛岡市があがっているが、これはニューヨークタイムズ紙が「日本に行くならぜひ盛岡市を訪れるべき」と紹介したことから外国人観光客が急増。国内でも注目度が高まり、中古マンション相場が急上昇したといった特殊事情が反映されたものではないかとされている。その証拠に、3年前、5年前などとの騰落率の上位には盛岡市は登場しない。
そのほか、急速に再開発が進む広島市中区、名古屋市昭和区などが騰落率の上位にあがっている。