一縷の望みにかけていたエンゼルスのフロント陣
だが、来季からエンゼルスの新指揮官に就任することになったロン・ワシントン新監督は12月4日にウインターミーティングが行われたテネシー州ナッシュビルの会場内で取材対応し、大谷の去就について問われ「まだ言うことはないんだ。秘密を漏らすようなことはしたくないからね」とコメント。このやり取りが大谷のエンゼルス残留に関し、ポジティブにとらえられるトーンで日米メディアによって報じられる一幕があった。
実際に“意味深”な言葉を発したワシントン新監督だけではなく、エンゼルスのフロントトップたちも「ショウヘイならば、きっと恩義を感じて残ってくれるはずだ」という何とも“厚かましい希望的観測”を地元メディアや周辺でBBWAA(全米野球記者協会)に属するビートライターの有識者たちに吹聴していたという。
関係者の話を総合すると、その面々の中にはペリー・ミナシアンGMもいたようだ。
「オオタニに関して『きっと恩義を感じて残ってくれるはず』と言い切っていた人物こそがミナシアンGMだ。彼は『ショウヘイを6年間にわたって育成してきたのはエンゼルスである』と声高らかにぶちまけ、自分たちがオオタニのツー・ウェイ・プレーヤー(二刀流)のシステムを完成させたという自負をメディアやMLB全体に向けて喧伝していた」と明かすのは前出スカウトとは別のMLB関係者。
くだんのミナシアンGMについては「編成手腕に疑問符を投げかける声が絶えず、その人物像も余り評判のいい寸評は聞こえてこない」とも手厳しく補足している。
今季終了直前にUCL(右肘内側側副靭帯)を損傷して手術を行ったことで大谷は少なくとも来季の投手起用が不可能となり、プレーは打者一本のみとなる。