ほんの一時だけとはいえ、二刀流スーパースターの移籍が現実味を帯びながら結局のところ夢物語に終わったトロントのファンとブルージェイズの球団フロントの様子は地元メディア「スポーツネット・カナダ」が報じたように「ジェットコースターの落差のように大きく落胆している」という。
ため息が漏れるエンゼルススタジアム
大谷の加入によって4年ぶりの世界一奪回が大きく近づいたと狂喜乱舞するドジャースファンと、大争奪戦を制してのユニコーン獲得に安堵するドジャース球団の面々とは対照的に、わずか50マイル先のアナハイムは9日当日、虚無感が漂った。
エンゼルス側は大谷のドジャース移籍が決まった即日、エンゼルスタジアムの正面エントランス上部に掲げられていた大谷の大型ポスターを全面撤去。外された「跡」だけが大きく目立ち、逆に大慌てで除去したことがうかがい知れるような光景となり、これが皮肉にも訪れたエンゼルスファンや球団関係者たちのため息を誘う形となった。
それでも、ここまでエンゼルス側は大谷の残留にわずかな望みを残し、妙な願望も抱いていた。今オフにFAとなった大谷に対してクオリファイングオファーをかけたものの11月14日(現地時間)の期限までに合意を得られず、エンゼルス残留は「厳しい」と見る向きが圧倒的大半を占めていた。