COP28、パリ協定の目標達成に向け初の総点検

 今年開かれるCOP28は2023年11月30日から12月12日までの約2週間、締約国である198カ国・地域の代表者がドバイに集い、地球温暖化対策について議論します。

 今回の注目のポイントは、初めて「グローバル・ストックテイク(GST)」が行われる点です。ストックテイクは在庫調査や棚卸しという意味で、パリ協定で採択された目標達成に向け、世界全体の進捗状況を評価する仕組みです。

温暖化対策の推進を訴える環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏=2023年撮影(写真:AP/アフロ)

 各国の削減目標は5年ごとに見直すことが決まっており、今回が初めてのグローバル・ストックテイクとなります。2年前から情報収集などの準備が行われ、今回のCOP28で各国の取り組みをさらに強化する政治的なメッセージが打ち出される見込みです。

 ただ、進捗状況については、すでに厳しい結果が予想されています。国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2023年3月に公表した報告書では、現在の各国の取り組みについて「極めて不十分」と指摘しています。温室効果ガスを2035年までに2019年比で6割削減しないと、「1.5度目標」は実現できないと結論づけています。

 日本は野心的な目標として2030年度までに2013年度比で温室効果ガス46%の削減、2050年までにカーボンニュートラルの実現を表明しています。