仲本工事さんと純歌さん仲本工事さんと純歌さん(純歌さん提供)

 昨年の10月19日夜22時過ぎ、ザ・ドリフターズのメンバー仲本工事さんが入院先の横浜市内の病院で息を引き取った。享年81歳であった。

 前日の18日朝9時ごろに横浜市保土ケ谷区にある交差点近くの道路を横断中、ワゴン車にはねられ頭部を強く打った仲本さんは、救急車で病院に搬送され手術を受けたものの、意識は戻らず、そのまま天国に旅立ってしまったのである。

 ただ、この交通事故には、そこに至るまでの“伏線”があった。それを理解しないと、その後に巻き起こった仲本さんの“妻“純歌さんへの大バッシングの経緯も分からなくなる可能性があるので、仲本さんの一周忌を機に、事故当時の状況と、それに伴う仲本さんの行動を振り返ってみたいと思う(以下、敬称略)。

第1回 不意に襲ってきた週刊誌報道と格闘しながら迎えた最期
第2回 苦悩の末に電話、週刊誌に「告白」した娘との会話
第3回 警察官まで駆け付けた!週刊誌記者との路上での口論
第4回 約束の時間に現れなかった仲本工事

日本中が驚いた事故の一報

 夕方のテレビ各局のニュース番組で仲本が交通事故に遭った一報が流れ、瞬く間に大ニュースとして日本中に広まっていった。その大きな扱いぶりはドリフターズの人気の凄さが今でも通じることを思い知らせるのに十二分だった。

 そんななか、メンバーの高木ブーと加藤茶が連れ立って病院に顔を出した。何も言わず横たわっている仲本を見た2人は純歌とも言葉を交わすことも無く、短い時間だけ顔を出してそのまま病院を去っていった。

 高木ブーは仲本をドリフのメンバーに推した本人であるので、仲本のことをいつも気にかけていたし、加藤茶はドリフの創設メンバーとしてお笑いの世界で不動の地位を築いた第一人者である。加藤は2011年に45歳年下の綾菜さんと再婚して話題を呼んだが、仲本は加藤が再婚した翌年に27歳年下の純歌と結婚した。2人にはそうした因縁があった。

 仲本と純歌の結婚式は2012年7月14日に品川区の高輪プリンスホテルの飛天の間で300人近くの招待客を呼んで盛大に催された。純歌は19歳のとき、生まれ育った高知市で地元の男性と結婚して男の子を生んでいたが、折り合いが悪く、すぐに離婚している。

 離婚の条件に子供の親権は夫が持つというものがあった。一般的には妻側が親権を持つ場合が多いが、純歌によれば、親権を妻側が持つなら離婚はしないと提示されたので泣く泣く従ったのだという。ただ、その後も密かに息子と会っていたこともあり、その後成人となり都内で暮らしている息子との関係は悪くなかった。仲本とも仲が良くて一緒の写真もネット上に載っているほどだ。