イスラエルのパレスチナ封じ込め戦略は破綻した。イスラエルは紛争をできるだけ早く終わらせたいのに対して、ハマスは紛争をできるだけ長引かせ、地域全体の反イスラエル感情に火をつけたい。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、イスラエルはすでにエジプトに人質解放の仲介を依頼したという。
1日最大3000発のロケット弾を撃墜できるよう訓練
米外交雑誌フォーリン・ポリシーはすでに21年6月に「イスラエルのアイアン・ドームは永遠ではない。ガザでの最近の戦争はイスラエル国防戦略の重要な柱の限界をさらけ出した」と指摘している。当時、アイアン・ドームはガザから発射された4340発のロケット弾からイスラエル市民の安全を守ったものの、60発以上が防空システムをくぐり抜けた。
アイアン・ドームはその年、10周年を迎えた。迎撃成功率は90%。数分間で最大140発のロケット弾が発射され、イスラエルの防空システムを飽和状態に陥れた。この時からイスラエルの防空システムはいつかハマスが発射する大量のロケット弾を阻止するのに十分でなくなる日が来るとの懸念が膨らんでいた。
アイアン・ドームはイスラエル国防衛産業大手ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズがイスラエル国防軍と共同で開発し、米国政府からの資金援助を受けている。イスラエルは1日最大3000発のロケット弾を撃墜できるよう訓練し、多層防空システムの能力を高めてきたが、今回ハマスはわずか20分間に5000発以上を発射した。