最近、韓国でテレビを見ていると、最大野党「共に民主党」の議員の胸にやたらと目立つバッジがついている。黒と黄色の「放射能マーク」が、死んだ魚が浮かんだ黄色い海に半分浸かったような不気味なイメージに、「福島原発汚染水NO」という文言が書かれたバッジだ。
共に民主党内の「福島原発汚染水海洋投機阻止総括対策委員会」が作ったこのバッジは、民主党の議員が、テレビに出演するときによくつけて出てくるようになった。韓国国民に福島原発処理水の放出の危険性を知らせるという意図であるに違いない。
ところが、一部の民主党議員らの「言行不一致ぶり」が続々と明るみに出始め、逆に韓国国民から嘲弄と非難を浴びるハメになっている。
庶民派を演出しながら実はこっそり巨額資産を
9月28日からの約1週間は、韓国では「秋夕(チュソク)」の大型連休だった。この韓国版ゴールデンウィーク期間に日本旅行に出かけた韓国人は過去最多と言われているのだが、実はその中には「福島原発汚染水NO」運動に積極的に参加している元民主党の金南局(キム・ナムグク)議員も含まれていたことが発覚した。
金南局議員は、ロースクール出身の弁護士で、民主党勢が強い首都圏の京畿道・安山の民主党公認候補となり、2020年国会議員となった。彼は「弁護士の初期時代は、月に100万ウォン(約10万円)を稼ぐことも難しかった」「足りない生活費を節約するためにはコンビニのカップラーメンで食事を済ませなければならなかった」「穴の開いたスニーカーを3年間も履いている」などなど、「貧困」をアピールする多くのエピソードを持っている。
そして、自分の苦労話を披露しながら、現在の韓国社会で経済的に最も弱い立場にある青年層の苦痛に共感できる「庶民派政治家」というイメージを作ってきた。