より多くの方にスケートを見ていただけるように
カップル競技への支援を継続しつつ、シングルの選手も育成する環境を整え、さらに幅を広げようとしている。
ひとつは木下アカデミーとして行ってきたアイスショー「ブルーム・オン・アイス」の拡充だ。
「練習生のお披露目会的なものとし始まりました。お客様に見てもらうのは大切な機会であるということ、ゲストスケーターを招いて先輩方と一緒に滑ることでいろいろ吸収してもらうことが目的です。ゆくゆくはもう少し大きくしていければと思っています」
あるいは、さまざま支援してきた中で、今回から主催となった10月7日の「ジャパンオープン」と「カーニバルオンアイス」についてこう語る。
「今回は時間がなかったのでやりたいことが100%できる環境ではないですが、より多くの方にスケートを見ていただけるような企画をしたり、これまで親しみのなかった方にもスケートを知っていただく機会にしていきたいと考えています」
手始めとして、埼玉県在住および埼玉県の学校に通学している小中学生、東京都在住および東京都の学校へ通学している小中学生を対象に、ジャパンオープン、カーニバルオンアイスのチケットをそれぞれ2000枚無料で、また日本スケート連盟に登録している全国のスケーターに各500円(あるいはあわせて1000円)で販売するという。いずれも当日先着順の方式をとり、ジャパンオープンは9時30分から12時45分、カーニバルオンアイスは17時から18時30分を受付時間とし、スケーターはバッジテストの証明書の提示が必要となる。
そこには、フィギュアスケートの未来への思いがある。
「フィギュアスケートに限らず、自分を追い込んで頑張る姿には心打たれるものがありますが、中でもフィギュアスケートの芸術面、表現面を含んだ魅力は他のスポーツにはないところだと思います。ただ、多くのスター選手がいらっしゃって、それこそアイスショーをやればお客さんが入るという状況はいつまでも続きません。みんなで協力して選手を育てていくことが、これからのフィギュアスケートのために大事なのかなと思っています」
その一翼を担うべく、カップル競技を支援し、育成組織を築き、アイスショーなどでも貢献したい。そう考えている。