生理の悩みを理解する環境づくりが大切
「僕らの班は、何かを変わってあげるとか具体的な案を考える前に、そもそもそれを言える環境があるのかということが疑問で……」(灘生)
大学生たちから、「さすが」という声が漏れる。
「よく知らないおっさんから、突然生理の心配とかされたらきっと嫌じゃないですか。僕らもそういう立ち位置になってしまう可能性があるので、まずは職場での関係を良く保つことが大切だと思いました。それは男女関係なく」(灘生)
途中大きな笑いが起きつつ、大学生や松原さんも、「うんうん」と大きく頷きながら聞いている。

「大学生に聞いてみると、善意からくる言動にもイラッとしてしまうことはあるらしいので、『これ、やろうか?』ではなくて『これ、やっといたで』という感じでイケメンな対応をするのがいいという結論に至りました」(灘生)
教室には笑いも拍手も起こった。休み時間には、教室に用意されたさまざまな種類の生理用品について、大学生たちから直接説明を受ける。
デートDVと性的同意
後半のテーマは、デートDVと性的同意。ひとを好きになるとどのように関係性が発展していくか、「好き」と「付き合う」の違い、やさしいひとが人気だがやさしさにもいろいろあることなど、準備体操的な話題を経て、本題のデートDVへ。スライドに性的同意のチェックリストの一部を映写する。
- 相手がイヤと言っていなかったら性行為もOKのサインである。
- 同じ相手に、毎回、性行為の同意をとる必要はない。
- 交際相手の家に泊まるのは、性的同意をしたこととみなす。
- 酔った勢いで、性行為に及ぶのは仕方がない。
「これらはぜんぶ同意がとれていません。今年7月に刑法に性的同意が盛り込まれて、不同意性交罪ができました。性交同意年齢は13歳から16歳に引き上げられました。そもそも性的同意とは、たとえば体に触れたり、キスをしたりというところを含めて、進む前に確認する明確な同意なんですね。そのときには安心して本音が言い合える、対等な関係であってほしいなと思います」(松原さん)