言葉にならないSOSをどう聞くか
──子どものSOSにはどのような種類があるのでしょう。
石井:大きく4つに分けられます。体調不良・不眠・食欲不振・情緒不安定です。大人でも子どもでもこれらの症状は普段から経験することですが、不登校につながる可能性があるのは「何日も続く」という状態。お子さんが何日も続いてこのような症状を見せた場合、注意が必要です。子どもが感じているストレスが限界にまできている可能性があります。
──具体的に、親はどのようなコミュニケーションを心がければ良いのですか?
石井:覚悟を決める、ということです。腹を決めて「子どもの話を『腰を折らずに』最後まで聞く」ことを意識してください。子どもが「学校に行きたくない」と言い始めたら、「この子は不登校になってしまうのではないか」と不安になると思いますが、そうした不安は一度脇に置いておいてください。親が逃げずに、子どもに向き合うことが一番大切です。
最近の様子を見てあなたのことが心配だ、とはっきり伝えてください。「何かあったの?」と。
親が話しかけると、子どもはかなり遠回りをしながら、ゆっくりと学校で起きた出来事や抱えている心配事を話し始めます。その際に、途中で「考えすぎだよ」「それはあなたが悪いのよ」と遮らないことです。とにかく、最後まで子どもの話をゆっくり聞く。
途中で遮ってしまうと、子どもは「誰もわかってくれない」とさらに塞ぎ込んでしまい、状態が悪くなってしまう可能性すらあります。反対に、子どもの話を最後まで聞いてあげると、子どもは「親は自分のことを大切に思ってくれる」と信頼感が増し、自己肯定感が高まっていきます。
学校を休みがちになっている子どもの自己肯定感はすごく落ちている状態です。「あなたは、あなたのままで良いんだよ」というメッセージをぜひ伝えてあげてください。