不登校児童(小中学生)が急増している。文部科学省の統計によると、2021年度は過去最多の24万4940人となり、9年連続で増加した。前年度から約5万人も増えている。
自身の経験から不登校に関するアドバイスや情報発信を続ける不登校新聞編集長の石井志昂氏によると、小・中学生の不登校が一番増えるのは2学期が始まるタイミングだという。今回は石井氏に、子どもが学校に行けなくなった時の「親の心構え」を聞く。
石井氏は、「子どもが学校に行けなくなると、親はうろたえるのが当たり前」と話す。その上で、親はどのような態度で子どもと接し、具体的にどのように行動すればいいのだろうか。
(湯浅大輝:フリージャーナリスト)
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「まずは休ませる」ことが重要
──2学期が始まりました。9月は不登校が増える時期ですが、子どもが「学校に行きたくない」と言ったり、朝起きられなくなったりした場合、親はどのように接すれば良いのでしょうか。
石井志昂氏(以下、敬称略):大前提として覚えておいてほしいことがあります。それは「学校に行きなさい」と命令したり、子どもを学校まで引きずって行ったりするのは逆効果だということです。ここは強調してもしきれないポイントですが、子どもにとって学校に行かなくなるということは、一大事なのです。決して軽い気持ちで「今日は行きたくない」というふうに考えているわけではありません。
多くの場合、本当に心が傷ついて、身体が異常反応を示すようになっているのです。「学校に行きたくない」と言われたら、かぜをひいた時と同じようにまずは休ませることが大事です。
そもそも、子どもが不登校になるまでには緩やかなプロセスをたどることがほとんどです。例えば、何日か連続で休んだ後、全く学校に行けなくなるといったような形です。子どもは親の期待に応えようとするので、「学校に行きたくない」とはっきり伝えることができるケースは稀です。子どもの「SOS」は言葉にならないのです。