延期発表のタイミングを探っている

 こうした中、昨年の暮れごろから「25年3月の開幕には間に合わない」という声が関西では漏れ始めていたが、それが大々的にニュースになることはなかった。開幕に間に合わせるには今年の2~3月がパビリオン建設のデッドラインであったにもかかわらず、「徹夜24時間工事でやればまだ間に合う」という協会内の強気な言葉も聞かれた。しかし、そんな時間ももう過ぎた。ドバイ万博は半年の延期となったが、それはコロナ禍が原因だった。

 国際博覧会を開催するということは、世界に向けて「ウチが開催しますからどうぞ参加して下さい」とアピールしたのだから、開催が間に合わないとなれば国際的に大きな責任が生じることになる。

「ロシア・ウクライナ戦争の影響で参加各国のパビリオン資材が調達できません。忸怩たる思いがありますが、断腸の思いで万博は開催できないことになりました」

 このような官僚に作らせた作文をシレっと発表することも可能だが、さすがに日本政府はそのような恥をさらすことはできないだろう。となると残るは「延期」である。

 協会内部の関係者が言う。

「ドバイのように半年延期となれば開幕が冬季になるので集客も期待できません。そこで今囁かれているのは『1年延期論』です。そうなればパビリオンも出来るだろうし、余裕を持って対応できるメリットがあります。これをいつ発表するのか時期を探っているんです」

 初めから無理だと言われていた夢洲を無理やり会場にしたツケがこうやって返ってきているのである。