絶対的な電力不足

 大阪万博の問題点は幾多もあるが、その中でも大きな問題が会場内への送電量が少ないということ。会場内はオール電化システムになる予定であり、参加国や地域には協会から割り当て量が伝わっている。飲食を提供するパビリオンもあるのだが、協会からの割り当て量では到底少ないことが分かり、「増やして欲しい」と要望を出しているのだが、協会側は「それはできない」と頑なな態度は改めることがない。

 この電力量の算出の際に参考にしたのが、前回のドバイ万博だった。参加国も全く異なっているのに、それを斟酌することなく、ドバイの事例を元に決めてしまったのである。

 そのため大阪万博で飲食店を設置するパビリオンでは、ランチタイムにブレーカーが落ちて停電になる可能性すら指摘されている。

 すると最近になって協会側から「電力が足りないならプロパンガスで補って下さい」と言われたという。「会場の基本は電力ですが『プロパンガスを使うな』とは書いていません」という言い訳に前出のA氏は耳を疑ったという。

 今回のパビリオンは木材を使用した建物が多いのが特徴で、燃えにくい防火仕様に加工した木材を使ったとしても火災の可能性は捨てきれない。