また会場の夢洲は過去に関西中のゴミ捨て場としてできた埋立地である。そのため、まるでプルプルと揺れる豆腐の上に建物を建てるようなものだから直下型地震に襲われれば液状化の可能性を含め、ひとたまりもないと以前から指摘されている。
そのためにパビリオンは3階までの高さ制限が設けられているし、耐震構造設計が厳しく指導されているのである。
工事車両のアクセスも悪い、使用可能な電力量も不十分、強固でない地盤――という具合に、大阪万博の会場問題は根が深い。
責任の所在はどこに?
「なぜこんな場所を会場に」という批判は前々からあった。そして万博の会場を夢洲にし、政府の承認を得るのを主導したのは大阪維新の会であり、その責任問題を糾弾する声も大きくなっている。大阪市内の40代の主婦はこの問題についてこのように言う。
「大阪市内の中心部に住んでいる方々は大阪万博に対しての関心が非常に薄いんです。開幕して行ってみたいと答えているのは4割しかいません。何の目玉もないので集客は予想よりも少なくなるんじゃないですか。
大阪では工事の遅れの原因は政府が強力なリーダーシップを取っていないというニュースが流れていますが、あそこを会場にと勧めた維新の会の甘さが元凶であることを市民は知っています。なぜか音頭を取っていた維新の会はこの件について触らないようになりました。元凶を追及しないで政府の批判をするニュースには違和感しかありませんね」
今後の国政選挙では万博の工事の遅れが関西では追及されることになるだろう。岸田政権に責任を負わせようとする議論が出てくる可能性があるが、責任の所在は、問題山積の夢洲を推薦した維新の会と、それを承認した政府双方にあると言わざるを得ない。