1.5~5気圧程度のインパクトがあると、戸建ての家屋なら倒壊してしまう可能性が高い。

 東北大震災など津波の折、高さ10メートルの津波が押し寄せるというのは、大気圧に加えてもう1気圧の水圧がかかるわけです。

 0.7気圧程度でも柱が折れるわけですから、鉄筋のビルなど以外、まともでいられるわけがありません。

 高さ15メートルとか30メートルという津波がどれほど恐ろしい破壊力を持つか、このような概算でも分かるはずです。

 気の利いた高校生なら小中学生に自分の手で計算させることで、水圧の恐ろしさ、風水害や爆弾の脅威から潜水病の予防まで、幅広に教えることが可能です。

 こういう理解がない人が非常に多い。

 そしてそういう人物が企業経営に携わって深海艇などを作らせたりした場合、たとえその強度試算などに目を通しても、真のリスクなど評価できるわけがありません。

 小難しそうな屁理屈ではなく、ごく当たり前の恐ろしさを身に染みて理解していることが、リスク回避には一番役立つ力になるのです。

 ちなみに、あまり詳しくない領域の話題ですが、TNT火薬を用いた爆弾の多くは0.1気圧程度の爆発圧に設計されているそうです。

 というのは、0.5気圧程度になるとすでに家屋倒壊などの危険が出るため、戦略兵器として必ずしも有効ではない場合も少なくなく、1気圧というのは相当な威力だと恐れておく必要があるわけです。