韓国ソウル市内のエレベーターに表示された為替レート(筆者撮影、6月20日)

 韓国で会食する際のいま最大の話題は「円安と日本株高」だ。

 いったいいつまで続くのか。考えるよりまずは動く。韓国人の経済活動も一気に変わってきた。

「給料をウォンでもらっていて良かったですね」

 最近、筆者は、知人からこう言われて苦笑した。

給料をウォンでもらっていて良かった?

 確かにそうだ。今の円安なら、何か得をした気分になる。

 日韓間を長年行き来しているが、まさかこういう時代がこんなに早く来るとは思わなかった。

 これは喜ぶべきことなのか。最近、韓国人のビジネスマンと会食をすると質問攻めに合う。

「円安」「(日本の)株高」。これが圧倒的な関心事だ。

 どうしてか、いつまで続くのか、という一般的な質問から、日本銀行の植田和男総裁はいつ金融政策をどのように転換するのか、さらに個別企業の業績見通しまで内容は様々だ。

 ここ数年で、韓国人がこんなに日本経済に対して関心を持ったことがあっただろうか。

 日本経済といえば「失われた30年」と「超高齢社会」。成長がなくなって、「反面教師」に過ぎなかった。関心の対象ではなかったのだ。

「円安」が急速に進んで、旅行先、買い物や食事を楽しむために関心が出た。それだけでない。株高や好調な企業業績までセットになると、がぜん経済全体に対する興味が出てきたのだ。