テレビ局の収益に直結する「コア視聴率」

 書くまでもないことだが、TVerが注目されようが、民放の浮沈は視聴率にかかっている。日本に限らず、世界中の民放が視聴率を競っている。だから、ビデオリサーチは海外70カ国の視聴率を入手・提供している。

 将来的には有料動画配信サービスのHuluやFODなどが大きな売り上げをあげるようになり、地上波とともに「車の両輪」になるのかも知れない。だが、現時点では違う。

 各局の売上高と視聴率を見比べると分かる。あらためて2022年度の主要4局のCM売上高を見てみたい。丸数字は順位だ。

■日本テレビ 2369億800万円①
■テレビ朝日 1791億4100万円②
■TBS    1628億8500万円③
■フジテレビ 1603億8000万円④

 次に2022年度(2022年4月4日~2023年4月2日)の主要4局の個人視聴率とコア視聴率と順位を記したい。視聴率の順位が売上高とほぼ重なることが分かるはずだ。特にスポンサーが歓迎するコアが高いと売上高が伸びる。

■個人・全日帯(午前6時~深夜0時)
日本テレビ 3.6%①
テレビ朝日 3.6%①
TBS    2.8%③
フジテレビ 2.4%④

■個人・プライム帯(午後7時~同11時)
日本テレビ 5.4%②
テレビ朝日 5.6%①
TBS    4.2%③
フジテレビ 3.8%④

■コア・全日帯
日本テレビ 2.9%①
テレビ朝日 1.4%④
TBS    1.6%③
フジテレビ 1.8%②

■コア・プライム帯
日本テレビ 4.7%①
テレビ朝日 2.8%④
TBS    3.1%②
フジテレビ 3.0%③

 個人視聴率の全日帯で日本テレビと並び、プライム帯では超えているテレ朝が、売上高では大きく下回る。日本テレビのほうがコア視聴率が勝るからだ。

 TVerの再生回数ばかり目につくが、新年度の視聴率争いは始まっている。