視聴率とTVer再生数、必ずしも比例するというわけではない
TVerの再生回数は視聴率と大きく関係することも忘れられがち。TBS「ラストマン-全盲の捜査官-」(日曜午後9時)はTVer再生数がほとんど話題にならず、お気に入り登録数も92.8万人で平凡だ。人気がないのか。
そうでないのは書くまでもない。「ラストマン」は放送時によく観られており、TVerではさほど再生されていない。このドラマの視聴率は個人7.3%、コア3.9%、世帯12.4%。(5月14日放送)で全ドラマの中でトップ。やっぱりTVerの再生回数だけで人気を測るのは無茶だ。
TVerの再生数が個人視聴率に換算できたら、それぞれのドラマの真の実力が推し量りやすい。だが、それは至難。関東の個人視聴率1%は約42万人であるものの、TVerの再生数は全国単位だからである。視聴率は関東、関西、名古屋、北海道など地域ごとで測られている。
ただし、少なくとも個人視聴率1%が、TVerの「100万回再生」より上なのは間違いない。TVerは各地域の再生回数の合計である上、「再生回数」というくらいで、そのまま視聴者人数ではないからだ。再生するだけで観ていない人もカウントされる。
現時点では各局が独自の解釈でTVer再生回数の価値を決めているような状態。再生回数の意味を客観的に説明している局はない。完再生率の話すら出てこない。そろそろ民放連(日本民間放送連盟)が統一見解を出すべきではないか。このままでは番組の評価基準が曖昧化する一方だ。