視聴率低迷のCNNが“毒薬”起用、トランプ氏と和解して出演実現
トランプ氏は天敵だったCNN主催の対話集会で舞い上がる
2023.5.11(木)
高濱 賛
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熱烈支持は高卒未満、低所得、若年中年女性
ちなみにニューハンプシャー大学が同州の州民を対象に行った最新の世論調査によると、トランプ氏の支持率は、今年1月の時(30%)と比べると、12ポイント上昇して42%となっている。
対抗馬と目されるデサンティス氏は1月(43%)に比べ21ポイントも激減している。
トランプ支持上昇の要因は、トランプ氏が起訴されたことで保守派、リバタリアン(自由意志論者)の支持率がそれぞれ26ポイント、48ポイントと急増したことだ。
「民主党支配の現在の政治司法エスタブリッシュメントが、自分たち共和党支持者が2016年に選んだトランプ氏を叩きのめそうとすることへの反発がこうした数字に表れた」(同大学世論調査関係者)
そうした声は次の項目にさらに顕著に現れている。
トランプ氏が「大統領候補としてキャンペーンを続けるべきだ」と答えた州民の「自画像」は、以下のようなものになる。
共和党支持者(47%)、「18歳から49歳」(44%)、「高卒未満」(47%)、年収「4万5000ドル未満」(49%)、「FOXニュース視聴者」(50%)、「女性」(70%)ということになる。
("Trump Ahead, DeSantis Falters in Race for 2024 GOP Nomination in NH 4/" by UNH Survey Center)
カールソンVSメドウの対決番組は可能か
これを受けて、ライバルのFOXやMSNBCはどう出るか。
FOXニュースは、共和党全国委員会が主催する大統領候補の第1回公開討論会中継を主催することですでに合意している。
大統領選挙はテレビ局にとっては4年に一度の荒稼ぎのイベントだ。
民主、共和両党による候補者同士の公開討論会の主催を誘い水にした選挙コマーシャルによる収益はテレビ局だけでなくラジオ局、SNSなどありとあらゆるメディアにとっては天の恵みだ。
親民主党のMSNBCは、今後も民主党一辺倒を貫くだろうが、不人気なバイデン氏がいつ立候補を取り消すか、という不透明さはついて回る。
バイデン氏に代わる大統領候補は誰か。シナリオなきドラマはどこまでも続く。
前出のT氏は指摘する。
「保守、リベラルが対立し、国家が分断されている中で政治を専門に24時間放送するケーブルテレビ局の役割は重い」
「それが今や分裂を煽る旗振り役になっている」
「嘆かわしいことだがそれが現実だ。その意味ではCNN がかつての中立主義に立ち戻ればメリットは小さくない」
「視聴率を上げるためのCNNの苦肉の策であろうと、本来なら朗報だ。次はFOXニュースが民主党の対話集会を主催すればいい」
「MSMBCがFOXニュースを解雇されたカールソンと、MSNBCの看板キャスター、レイチェル・メドウ氏とのクロスファイア(対決)番組を組んでも面白い」
トランプ氏とCNN の和解、一夜だけの政治イベントに終わるのか。大山鳴動鼠一匹か。あるいは山が動くきっかけになるのか。