世界平和統一家庭連合(統一教会)創設者の文鮮明(写真:UPI/アフロ)

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)

 いつまでこんなことを繰り返すのか。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の調査だ。

 文部科学省はこれまでに4回の「質問権」を行使して、今月15日に教団からの回答が届いた。これを受けて、5回目の「質問権」の行使を検討するとしている。

「質問権」行使だけでは見つけ難い「解散請求」に向けた突破口

 統一教会を巡っては、昨年7月の安倍晋三元首相の襲撃事件をきっかけに、国会でも議論となり、政府が解散命令の請求を視野に、宗教法人法に基づく初めての「質問権」の行使に踏み切った。

 その1回目の行使が昨年の11月。組織運営や財務について質問。2回目は12月で、過去の民事訴訟の判決について尋ね、3回目は今年1月に財産や寄付、指揮系統や海外送受金などについて約80項目を質問している。

 そして今回は、3月1日に組織運営、教会の管理運営、信者の活動、予算・決算や財産、寄付に関する約110項目を質問していた。しかも、教団からの回答は、それまで段ボールが数箱で送られてきていたものが、今回は封書が1通だったという。

 結局、統一教会の解散命令を請求するために、言い訳になるあら探しをしてみたところで、それが見つからずに長引いている。

 見つからなければ見つからなかったで、教団に宗教法人としての存続にお墨付きを与えるだけのことで終わる。解散命令の理由が見つかるまで執拗に「質問権」の行使を繰り返せば、国家権力の乱用とも指摘されかねない。