マイナンバー制度を抜本的に見直す時期

 結論として、国民を惑わす4つものパスワードは必要ない。署名用電子証明書(①)と利用者証明用電子証明書(②)にアクセスする2つのパスワードがあれば十分だということだ。

 もっと言えば、署名用電子証明書の1つだけで十分なのだが、個人情報が記載されている証明書がネット空間を飛び交うのを不安に思う人もいるらしいので2つとしておく(※)。

※もちろん通信は通常暗号化されているので心配はない

 マイナンバーなど社会のデジタル化の基盤がデジタル庁に統合され、マイナンバー制度も抜本的に見直す時期に来ている。住基ネット(住民票コード)や住基カードのしがらみを断ち切り、根本から見直しをすべきだろう。

 完璧さにこだわり、政治的な配慮から仕組みを複雑にすると、国民の誤解や勘違いを招き、想定外の運用で制度が機能不全に陥ってしまうことが懸念される。シンプルがベスト、これが設計の基本だ。

写真:通信は常時暗号化されているため、利用者証明用電子証明書へのアクセスにもパスワードは不要(提供:アフロ)