皇統をつなぐ可能性高めるには法改正が必要

 また、「養子となって皇族になられた方は皇位継承資格を持たない」ならば、その方の子も皇位継承資格を持たないということが想定されます。

 これでは、皇統をつなぐという大切な使命を果たすことができません。有識者会議の報告書は、あくまでも報告書に過ぎませんが、法制化の段階では、「養子となって皇族になった」旧宮家の男系男子の子は皇位継承資格を持つ旨の条文を盛り込まなければ、この議論を始めた目的が達せられません。 

 愛子さまが旧宮家の男系男子とご結婚されて、お生まれになった男子は男系男子となります。皇位継承権を認められても、問題はないはずです。

 このように、女性宮家の創設は、女性皇族と旧宮家の男系男子が結婚する時に、大きな意味を持ちます。

 女性皇族が「婚姻後も皇族の身分を保持する」だけでは、安定的な皇位継承者の確保にはなりません。これは愛子さまのご結婚のみならず、佳子さまや、その他の女性皇族のご結婚も同じです。

 結婚には、ご本人のご意向が最も大切であり、誰も無理強いすることはできませんが、愛子さまや佳子さまといった女性皇族が旧宮家の男系男子とご結婚をなさることがあれば、安定的な皇位継承者を確保し、新たな皇統をつなぐ可能性が拓けます。

佳子さまは日本テニス協会の名誉総裁などを務められている(写真:REX/アフロ)

 そのためには、繰り返しになりますが、政府の有識者会議が示したような報告書の方向での法改正が必要になります。