(英エコノミスト誌 2023年2月25日号)
戦いが始まって1年、これからどうなるか。
あれから1年経ち、嘆き悲しむことが山とある。
命を落とした国民が双方にいる。ロシアのミサイル攻撃を受けて欧州各地に散らばった人々がいる。
そして世界のあちこちで、貧しい人々がパンを買うのに苦労している。
だが、先日の国民向けの演説で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は悔悟の念を見せなかった。
プーチンの戦争に立ち上がった西側諸国
ウクライナ側に付いた国々は、プーチン氏の容赦ない攻撃に抗うにあたって、自分なりの役割を果たしたと誇っていいだろう。
もっとも、その勇気と決意から、最大の功績を認められるのはウクライナ自身だ。
これらの国は2つの原則に基づいてまとまった。
ウクライナは勝たねばならないという原則と、何をもって勝利とするかはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が決めるという原則だ。
21日に首都キーウ(キエフ)を訪問したジョー・バイデン大統領は、米国のコミットメントを裏付ける生きた証拠となった。
だが、プーチン氏がよく知るように、最も価値のある原則でさえ次第に色あせるものだ。
西側はいずれ支援疲れに陥るとプーチン氏は見ている。2025年には米国の大統領が替わる可能性があり、中国からの支援が強化される公算もあることから、その見通しは当たるかもしれない。
プーチン氏は21日の演説で、熱かろうと冷たかろうと、丸一世代にわたって続くかもしれない戦争に備えてロシアを動員していることを明確に打ち出した。