(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 東京オリンピック・パラリンピックの運営に絡んで、東京地検特捜部は、入札談合疑惑で大会組織委員会の元次長や電通など関係先企業の幹部を逮捕した。贈収賄事件に続く不祥事である。

私が都知事だったらこの問題を阻止できたか?

 昨年夏以来、東京地検特捜部は、贈収賄事件で組織委員会の高橋治之元理事やKADOKAWAの角川歴彦会長らを逮捕してきた。

 この汚職も今回の入札談合も、私が2016年6月に都知事の職を辞してからの話であるが、「Tokyo 2020」大会の準備に奔走した者としては極めて残念である。少しでも真相の解明に役立つことを願って、私はこれまで自分の知っていることを公表してきた。本コラムでも、以下のように、この問題を論じてきた。

・(2022/8/20)元理事逮捕で覗く組織委の闇、都知事の私を避けて蠢いた利権屋:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71470

・(2022/9/10)安倍元首相の死で破られた「統一教会」「五輪汚職」というタブー:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71757

・(2022/9/17)企業幹部が続々逮捕、東京大会で露わになった「五輪汚職の構造」:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71862

 仮に私が都知事であり続けていたら、このような不祥事を阻止できたか否かも分からない。組織委の運営実態について情報を遮断されてしまえば、いくら「親会社」(東京都)の社長(知事)だとはいえ、子会社(組織委員会)に介入することもできなかったであろう。