東京地検に逮捕されたKADOKAWAの角川歴彦会長(写真:つのだよしお/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 9月14日、東京地検特捜部は、KADOKAWAの角川歴彦会長を贈賄容疑で逮捕した。コンサルタント会社「コモンズ」を経営する高橋治之・東京五輪組織委員会元理事に約7600万円の賄賂を送った容疑である。うち約700万円は3年の公訴時効期間が経過しているので、容疑対象は約6900万円である。私がこれまで予想してきたように、五輪汚職は拡大している。

 汚職の背景にある組織委員会や電通の問題点については、都知事としての私の体験を踏まえて、8月20日の本コラムでも指摘してきた通りである。

(参考記事)【舛添直言】元理事逮捕で覗く組織委の闇、都知事の私を避けて蠢いた利権屋:古巣・電通が仕切る五輪の舞台裏で暗躍した大物OB、闇はこれで終わらない
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71470

元JOC会長の竹田恒和氏も任意で聴取

 特捜部は、私が上記で指摘した点について、竹田恒和元JOC会長(組織委員会元副会長)を任意で事情聴取した。竹田と高橋の関係については、後述する。

五輪汚職に関連して東京地検特捜部による任意の事情聴取に応じたと報じられた竹田恒和元JOC会長。写真は、2019年3月19日、フランス検察捜査当局による東京五輪招致をめぐる贈収賄容疑の捜査対象となったことを受けて、6月の任期をもって日本オリンピック委員会(JOC)会長を辞任する意向を表明したときのもの。ただしこの時、自身の疑惑については否定した(写真:AP/アフロ)