1月15日、台湾与党・民主進歩党(民進党)の第17期主席(党首)に、頼清徳(らい・せいとく)副総統(63歳)が、得票率99.65%で当選した。絶頂の時を迎えた頼新主席は、就任のスピーチで、高らかに宣言した。
「党主席の補選は順調に終わった。これからは、民主進歩党が国民の信頼を取り戻していくことを始める! 私は惜しむことなく全力で仕事をし、負託に応えていく。
私の目標は明確だ。全党が団結し、皆で新たに磨いていく『清廉、勤政、愛郷土』と『緑色執政、品質保証』という二つのスローガンを、私がリードしていくということだ。民進党の存在目的は、まさに台湾のために一生懸命働くことにあるのだ。
民進党はこれまで、民主改革を推進してきた。次の段階の使命は、複雑多変な国際情勢の中で、しっかりと台湾を守護し、台湾の民主・平和・繁栄を促進していくことだ……」
民進党はこうして、長きにわたった蔡英文(さい・えいぶん)時代に別れを告げた。蔡英文総統のもとでナンバー2の副総統を務める頼清徳時代に入ったのだ。
投票率が17%台に低迷した理由
いまからちょうど一年後に、台湾総統選挙が行われるが、民進党の公認候補は、もはや頼新主席に絞られたと言っても過言ではない。台湾民意調査基金会が15日に発表した世論調査によれば、「誰が次の民進党の公認総統候補としてふさわしいか?」という問いに対して、頼清徳副総統57.7%、陳建仁(ちん・けんじん)前副総統16.7%、蘇貞昌(そ・ていしょう)行政院長(首相に相当)5.9%。頼新主席は他のライバル候補を圧倒していて、本人もヤル気十分である。
ところが、台北の民進党関係者に聞くと、どうも歯切れが悪い。ため息交じりに、次のように答えた。