尹錫悦大統領は、過激労組・民主労総が主導する貨物連帯のストを、労組に妥協することなく、「法と原則」に基づいて解決した。

 徴用工問題でも、解決案提示の最終手続きとして公開討論会を開催し、その討議結果に基づき解決案を提示すると言われている。徴用工の支援団体と法律代理人は一度はこの公開討論会に参加する意向を示していたが、韓国外交部との意思疎通の過程で問題があったとして、前日の11日に全面ボイコットを宣言するに至った。

 いずれにせよ、韓国政府は徴用工側が反対しても、現在検討中の解決案に基づき進める方向であろう。おそらく徴用工支援団体はそうした解決を妨げようとするだろうが、尹錫悦政権は市民団体の主張と国益を比較衡量して方針を決定するのではないか。

 これまでの政権は市民団体の主張に押し切られてきたが、尹錫悦政権は「法と原則」を無視した市民団体については、それを改める方向に向かっているようである。

慰安婦問題解決を妨害し続けた挺対協

 韓国において日韓関係の改善を終始妨害し続けてきている市民団体が前述の挺対協(現・正義連)である。挺対協は1992年1月8日以来、毎週水曜日に日本大使館前で水曜集会(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動)を開催、支持者を集め、日本政府からの公式謝罪及び金銭的・法的賠償を要求してきた。

 そもそも韓国の国内法においても、外交関係に関するウィーン条約に則り、外交公館周辺100メートル以内での集会やデモは禁止されている。ところが、韓国の行政当局は、「水曜集会はデモではなく記者会見である」という名目で、日本大使館前に限り、こうした行為を黙認してきた。まず挺対協の活動を黙認してきたことに対し、韓国政府には重大な責任がある。