もう一度サラリーマンになるのはイヤ
Wさんは大手タイヤメーカーの営業マン。アジアを中心に海外の取引先などに出張する多忙なサラリーマン生活を送ってきた。1年前に役職定年を迎えて管理職から一般職へ降格。現在は営業の仕事を続けながら、休日に副業をしている。
「役職定年を迎えてからは、そこまで仕事を頑張ろうという気はなくなりました。以前は残業ばかりでしたが、今は定時で帰っています。控えていた有給休暇も積極的に取得し、今は週休3日ということも多いです」
Wさんのお宅はお子さんがすでに独立し、住宅ローンもあと数年で終わりを迎える。ただし役職定年で年収は800万円から500万円まで下がった。あと数年で子会社に移る予定だが、そうなると年収は300万円まで下がる。収入の不足を補うために副業を始めたのだ。
なぜ、配送業を選んだのか。
「いろんな選択肢を検討しました。シルバー人材センターに登録しようかとも考えた。でも、自分には早すぎるような気がして。転職も考えましたが、『またサラリーマンをやるのか』と思うと、それを積極的に選ぶ気にはなれなかった。やはり人間関係が面倒くさいなと」
数ある配送業者の中からアマゾンを選んだのは、自分で働く時間が決められるからだった。Wさんは1日4時間働くコースを選んだ。
「1日中働く必要がない点が魅力でした。報酬は時給です。配達ノルマもありません。時間内に配り終わらなかった荷物は、配送センターに返却すればいい」