北京市内の繁華街の王府井をいけば、大きな蛹の類が、羊肉と同じように串に刺されて屋台で売っている。これを焼いて食べる。

ディスコでスナック代わりに食べられる虫

 2000年代の初めのタイのバンコクでは、いわゆるディスコと呼ばれるような娯楽施設が建ちはじめた頃で、その駐車場の一角では、平たい箱に仕切られて多種多様な虫が売られていた。当時の若者たちは、これを仕入れてディスコの中でつまんでいた。

 同じタイでも北部の街に行けば、夜市で大きな籠の中に放たれた大量のコオロギのような虫を見かけることがあった。これを素揚げにして、紙コップに入れて売っていた。サクサクして旨かった記憶だ。

 隣国のカンボジアでは、アカアリを牛肉にまぶして食べたこともある。

 こうしたことは一例だが、アジアに限らず、虫を食べることは普通の文化や習慣としてある。フランス料理にだってエスカルゴがメニューにある。これがかつての植民地だったモロッコでは、屋台で殻ごと煮たカタツムリを茶碗1杯いくらで食べることができた。中身だけでなく、いっしょに黒いスープを味わう。