サントリーの「白州」「響」「山崎」(左から)。韓国人ブロガーは「日本3大ウイスキー」と表現する(写真:Shutterstock/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 朝鮮日報から「“見かけたら絶対に買った方がお得”日本の有名ウイスキー品薄」という記事が出た。

 転売を勧める記事だ。その内容をざっくりとご紹介しよう。

「無条件に買うのがお得」転売勧める朝鮮日報

 記事は12月13日、韓国の会社員の李氏(33)が東京旅行を終えて成田空港免税店の酒類売場をくまなく探すエピソードから始まる。

 彼は成田空港で山崎18年、響21年など日本のウイスキーが5万円で販売されていると聞いて探し回るのだが、ウイスキーはどれも売り切れだった。

 免税店の店員曰く「中国人、韓国人、日本人は決まってこの製品だけを求めにやってくる。在庫が入ってくる今日は運良く10本以上入ってきたが、午後になって全て売り切れた」と説明した。

 銀座で2万6000円で販売されている山崎12年は、韓国の南大門酒類商店街で40万ウォン(約4万3000円)ほどで販売される。

韓国・ソウルの南大門市場(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 響21年に至っては、飲み干したあとの空き瓶が「タングンマーケット」という中古品販売アプリで18万ウォンから20万ウォン(約1万9000円から2万1000円)で取引されているくらいの人気ぶりである。

 朝鮮日報が「見たら無条件に買っておいた方が得だ」と、日本のウイスキーを紹介する理由がこれだ。

 日本のウイスキーは現在品薄で、日本人であっても手に入れることが非常に困難だ。

 ウイスキーというものは熟成に数年から数十年かかるが、1980年代から1990年代のウイスキー市場はいわゆる氷河期で生産量が減っていた。そのため、近年の急な需要の増加に対応できずにいるというわけだ。

 なぜ急に需要が増えたのかというと、日本国内でハイボールブームが到来したことと、世界的なジャパニーズウイスキーブームがやってきたことが挙げられる。

 確かに韓国でも日本食店だけでなく、韓国料理専門店でもハイボールを提供する店が数年前から増えていた。日本にある知り合いのバーでは、中国人観光客がやってくると、店にあるウイスキーを飲み干されたという話も聞いたことがある。

 ジャパニーズウイスキーが世界的、とりわけ中国人と韓国人に人気なのは確かだ。