協会発表とは別の身体測定で277kgの山本山

血圧を測る日本人力士最重量の山本山。不本意な形での引退がなければナンバー1になった可能性も。

 山本山の公式最高体重は266kg。だが、相撲診療所では毎年、協会発表とは別に身体測定を行っており、平成23年2月には277kgを計測している。もし不祥事で引退せず、けがが直って関取に復帰を果たしたら、小錦の体重を上回る可能性もあったと言われている。

 山本山を始め、最近では200kgを超える和製力士も多い。しかしかつては欧米のように極端な肥満が存在しなかった日本では、体重が200kgを超えるなどあり得ないことだった。江戸の看板力士たちは身長や体重を多少オーバーに表記していたが、それでも最高体重は釈迦ヶ嶽の180kgだった。

 長身の部で紹介した出羽ヶ嶽は、身長209cm、体重195kgで、一時は200kgを超えたという説もある。大正から昭和期にかけての日本では考えられない巨体で、「出羽ヶ嶽の195kgが、有史以来、おそらく日本人最高体重ではないか」と様々な書物に記載されている。当然、相撲界でも最高体重の記録は長い間出羽ヶ嶽が保持していた。

 前回の身長同様、近年では重い力士ほど自分の体重を少なめに発表したり、体重測定の時などは、恥ずかしげに両手で目盛を隠したりする。

 それまで自己申告だった関取の身長・体重を、現在のように東京場所前に正式に測定するようになったのは、身長編で記載した通り昭和52(1977)年9月場所からだ。