有効活用されずに終わった接触確認アプリCOCOA(写真:AP/アフロ)

(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 なぜこういうことになるのか、どうしてもわからない。12歳の子どもや75歳の年寄りにもわかるように、だれか解説してもらえないか。

 日本のコロナ感染者数が「再び世界最多」になったという。「世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス感染症の集計で、10月31日~11月6日の週間感染者数が日本は前週比42%増の40万1693人で、世界最多となった」というのである(「日本のコロナ感染、再び世界最多 1週間に40万人超、死者少なく」、共同通信、2022/11/10、https://nordot.app/963214880220921856)。

 これがわからない。新型コロナ発生以来、日本人はいつものごとく官民一体となって、神経質とも思えるほど熱心に感染予防にあらゆる手を尽くしてきたはずである。なのに「世界最多」の感染者数?

「再び」というのは、7月中旬から9月下旬の間にも、10週連続で世界最多を記録していたことがあるからである。日本に次いで感染者数が多い国は、韓国が29万人、米国が26万人、ドイツが22万人、中国が21万人となっているが、これは単純に感染者数の実数で決めた順位である(週間死者数となると、米国が2480人で世界最多。日本は391人と少ない)。

 これを日本を基準にして総人口比で算出しなおすと、韓国の人口はおよそ日本の半分だから、韓国の感染者数は2倍の58万人になる計算だ。中国の人口は14億人だから、21万人は約12分の1の1.75万人になる。

 数字の扱い方に問題はあるが、それにしても日本の感染者数が多いのは事実である。今月末には第8波がやってくるといわれている。

これだけ気を付けてなぜ「世界最多」

 2年前には、麻生太郎財務相が、新型コロナによるヨーロッパやアメリカの死者数にくらべて日本が少ないのは「民度のレベルが違うからだ」と頓珍漢な発言をして威張っていたが、感染者数は収まりかけたかとおもえばまた増加して、いつ収束するのか先がまったく見えない。