店名が同じでも、実際は個人経営の沙県小吃

 沙県小吃(サケン・シャオチー、沙县小吃)は、中国沿岸部にある福建省三明市の沙県が発祥です。ワンタンやシューマイをはじめとする多種の料理を、日本での小鉢料理のように少量ずつ提供する軽食店です。

 沙県はかつて交通の要所であり、そのにぎわいのなかから軽食文化が発達しました。

「沙県小吃」の特徴は、官主導で組織化に重点を置いた施策をとったことです。技術を身に付け店舗を開店し、運営するまでを支援するほか、同じ店名やマーク(次の写真参照)を使うなど、「蘭州ラーメン」よりも標準化が図られています。ただ、各店舗の運営自体はそれぞれ独立した個人やグループが行っています。

 1990年代からこれまでに5億元(約100億円)が沙県小吃の店舗開設や教育のために投入されたことが、中国での店舗数1位に結び付いた要因のひとつです。この結果、20年間で沙県出身者の平均年収が7.7倍に上昇したそうです。

 さらに「沙県小吃」を主役にしたグルメ観光都市を沙県に作る動きも進んでいるようです。

新たな競争の波が到来

 このようにして、中国の大衆食堂として根付いてきた蘭州ラーメンと沙県小吃ですが、近年は新たな競争の波にさらされています。