(加藤勇樹:中国広東省在住コンサルタント)
近年、中国のコーヒー産業を牽引しているのが上海です。
中国全体で見るとまだまだ一般的とは言えないコーヒーですが、1線都市(北京、上海、広州、深圳などの巨大都市)のコーヒー消費量は、全国平均の30倍以上となっています。
コーヒーを提供する喫茶店やコーヒーハウスを中国では「珈琲館」と呼びます。人口あたりの珈琲館の店舗数も、1線都市と地方都市では大きな開きがあります。
その1線都市の中でも珈琲館の激戦地となっているのが上海です。大手EC企業「Meituan」(美団)が2022年6月に発表した「2022中国咖啡消费洞察报告」(コーヒー消費に関する報告書、https://www.hotelex.cn/press/archives/17116)によると、上海市内の珈琲館の店舗数は約7900。数だけで言えばロンドン、ニューヨーク、東京を上回ります。
特に超高層ビルた立ち並ぶ上海黄浦区では、1平方キロメートルあたり38店舗ものコーヒーを提供するスタンドや珈琲館が存在しているとされています。
なぜ上海がコーヒーの中心地となったのか
上海には、コーヒー豆を販売する日本の「堀口珈琲」も海外初店舗として出店していて、香港企業の「三叶屋咖啡」が店舗の運営を行っています。同社のブランディングマネージャー高橋丈一郎氏に、上海のコーヒー事情をうかがいました。