米海軍がシリア軍基地に向けてトマホーク長距離巡航ミサイルを発射した様子(資料写真、2017年4月7日、提供:Mass Communication Specialist 3rd Class Ford Williams/U.S. Navy/AP/アフロ)

(北村 淳:軍事社会学者)

 日本政府がアメリカ政府との間でトマホーク長距離巡航ミサイル(以下「トマホークミサイル」)を輸入調達する交渉を行っていると報道されている。

 筆者はトマホークミサイルをアメリカから輸入するアイデアをしばしば論じてきた(参照:2013年1月8日1月17日の本コラム、2015年発行の拙著『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない』など)。だが、それらの拙論を記した時期から長い年月が経過してしまった。

 当時は、日本が大量の長距離巡航ミサイルを配備すれば、中国や北朝鮮などの対日ミサイル攻撃に対して“最小限度の抑止効果”を期待できた。しかし、日本自身がそのようなミサイルを開発し大量生産を開始するには数年の時間を要するため、国産ミサイルが配備され始めるまでの間は、トマホークミサイルを輸入調達したりライセンス生産しなければなるまい、というのが拙論であった。

長射程ミサイルを保有していないのは日本だけ

 だが、それから10年近く経過してしまい、もはや“最小限度の抑止効果”という期待は、少なくとも中国相手には無理な状況に立ち至ってしまった。