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(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)

 かつてはアジア各国で広く用いられてきた漢字ですが、現在、公に使用しているのは日本と中華圏だけとなっています。

 ともに漢字を使用し文化交流も盛んだった日本と中国の間では、一方の国で生まれた漢字の単語が同じ漢字のままもう一方の国に伝わったケースが少なくありません。中にはあまりにも定着し過ぎて、他国発祥であることを意識されなくなっている言葉もみられます。

 そこで今回は、日本で定着しているものの実は中国発だったという漢字単語を、その発祥の経緯とともにいくつか紹介したいと思います。

「独眼竜」には先輩がいた

「独眼竜」と言えば、戦国時代において特に人気の高い、仙台藩の藩祖でもある伊達政宗の異称です。

 歴史に詳しくない人の間でもよく知られているこの異称は、片目を失明していたという政宗の身体的特徴を示しているとともに、類まれな野心で活躍した猛将というイメージにも合致しています。