中国のスーパーの商品棚に並ぶさまざまなインスタントラーメン(筆者撮影)

(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)

 上海市では4月から5月の2カ月にかけて新型コロナ対策のロックダウンが行われました。ロックダウン中、一時外出が認められた際に、筆者はスーパーに出向き、インスタントラーメン(カップ麺および袋入り麺)を購入しました。インスタントラーメンなら長く保存できますので、いつ終わるかわからない“軟禁”生活をしのぐことができます。

 実は筆者が中国でインスタントラーメンを購入するのは、かなり久々でした。以前、食べた中国のインスタントラーメンはまったくおいしくなく、その記憶を引きずっていたからです。

 そんなことからあまり期待せず、買ってきたインスタントラーメンを自宅で食べてみたのですが、かつてとは違って、その味が格段に向上していることに驚かされました。まさに見違えるほどの進化です。

 いつの間に、なぜこれほどおいしくなったのか? ロックダウンが明けてからは市場調査も兼ねてインスタントラーメンを購入する機会が増えました。

 そこで今回は、劇的に味の改良が進んだ中国インスタントラーメン市場について、マクロデータと合わせてその改良の背景、ポイントなどについて紹介したいと思います。