8月15日、カディス戦に出場した久保建英(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

 新しい久保建英がピッチを駆けていた。

 8月15日(日本時間)のラ・リーガ開幕戦、レアル・ソシエダのユニフォームを着た久保は決勝点を決め勝利の立役者となった。新戦力が試合を決めるゴールを決める劇的な展開に、駆けつけたサポーターは試合後も久保に喝采を送り続けた。移籍が決まって3週間。新天地で人々の心をつかむのに時間はかからなかった。

予想していなかった2トップだったが

 久保は開幕から3戦連続でフォワードとして起用されている。プレシーズンで試していた2列目ではなく、2トップの一角という采配には久保自身が驚いたという。

「FWのポジションは、練習でもまったく試してなかったです。練習だとチームメイトとの関連もあって、僕はトップ下や右サイドでプレーしている。でもそこでプレーしている選手のポジション取りはいつも見ている。どこで出てもいいように準備をしていたら、結果的にゴールにつながった」

 チームの最前線に立ち、裏のスペースへ走る。カディス戦の得点前にも最終ラインからのロングパスを相手ライン裏で受けるなど、布石はあった。昨季までのマジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェの3クラブではあまり見られなかったプレーだ。

「僕はどちらかと言うと足元に受けたいけど、監督は、皆にそう思われているからお前は逆に裏を狙っていけ、と。結局、ゴールも裏抜けからのゴール。監督が僕が知らない才能というか、今までしてなかった動きを要求してくれた」

ラ・リーガ開幕戦に出場した久保建英のゴールシーン(写真:なかしまだいすけ/アフロ)