28試合出場、2得点。うち先発は11試合。
スペインリーグ2部リーグ、カルタヘナに所属する岡崎慎司の今季公式戦のここまでの数字だ。
本人にとっても満足いく数字ではないだろう。ドイツやイングランドという舞台で戦い、日本代表としてはワールドカップに3度出場した。あらゆる舞台でネットを揺らす岡崎の姿に、ある意味で慣れた我々にとっても、スペイン2部でのこの結果は物足りない。
絶対的エースを中心に構成されるチーム
岡崎がスペインにやってきたのは19年の夏のことだ。4年間所属し、プレミアリーグ優勝も経験したレスターからスペイン2部のウエスカへ。同シーズンは38試合で12ゴールを決め1部昇格の立役者になった。翌年、初のスペイン1部は1得点に終わり、昨夏カルタヘナへと移籍した。
カルタヘナでは9番のポジションに絶対的な存在がいる。6月に41歳になるルベン・カストロだ。今季15得点とチームの得点のほぼ3分の1を彼が決めている。そんなエースを軸に据え、彼を最大限に活かすためにチームは構成される。
「このチームでは1トップ以外はチームのためにやらないといけない。ワントップだけが、好きなようにできる。そこはルベン・カストロを羨ましく思う」と岡崎は言う。
特権を個人に与え、そこから逆算してチームを作るやり方はどこか前時代的ではある。しかしカルタヘナのような中小クラブにとって、確実に得点を決めてくれる選手ほどありがたい存在はない。