(福島 香織:ジャーナリスト)
中国共産党の秋の党大会はどうやら10月末頃に行われるようだ。情報筋からそういう観測がだんだん伝わり始めた。
香港英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」(7月18日付)が特ダネとして、習近平が11月に欧州4カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)の首脳を北京に招くことを決定したと報じた。多くのチャイナウォッチャーたちがこの報道を、習近平が秋の党大会を乗り越えて総書記任期3期目を継続することが確定しているという予測の補強材料にしている。もっとも、7月19日にこの件について記者が外交部定例記者会見で質問したとき、趙立堅報道官は「どこからの情報だ? フェイクニュースだ」と一蹴している。
加えて香港紙「明報」(7月11日付)が、秋の党大会で正式に習近平に「人民領袖」の尊称が使われるようになると報じ、習近平の第3期目総書記連任は確実だという中国政治学者の意見を引用した。
果たして本当に習近平総書記の3期目の連任は確実になったのだろうか。
中国共産党史上3人目の「絶対的権力者」に?
習近平を「人民領袖」と呼ぶことが決定するという明報の特ダネ報道については、まもなく中国中央テレビ(CCTV)が人民領袖という言葉を使い出したので、まったくのフェイクというわけではなさそうだ。
7月14日、CCTVサイトは、特集コーナー「人民領袖」特別報道「この十年」のページを設け、習近平の大国領袖としての魅力を大宣伝し始めた。習近平が毛沢東の後を継いで領袖の称号を受ける第2の中国共産党指導者になると、周りも言い出した。