NATO首脳会議の晩餐会で韓国大統領夫人の金建希氏(右)を出迎える、スペインのペドロ・サンチェス首相の妻ベゴナ・ゴメス氏(2022年6月29日、写真:代表撮影/Agencia EFE/アフロ)

(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 これだけ注目を浴びた大統領夫人が、果たして韓国にいただろうか。韓国に住みついて17年になるが、今のファーストレディである金建希(キム・ゴンヒ)夫人が、注目度は断トツであるように思う。

 6月23日付の報道では、ファンクラブである「ゴン・サラン」(直訳すれば「建の愛」)の会員数は9万4000人を超えるという。10万人に達するのは時間の問題だ。

 ゴン・サランのホームページには、彼女の写った大きな写真が掲載されている。写真はどうやらときどき入れ替えられているらしく、現在の写真は6月のものとは異なっている。

 写真の背景にはピンクの槿(ムクゲ)と太極旗があしらわれていて、その上には「ファースト大韓民国、ファーストレディ」という言葉が書かれている。槿は韓国の国花であり、太極旗は言わずと知れた国旗である。

「庶民のイメージ」も人気の秘訣

 彼女はもともと実業家として成功した人物だが、人気の理由として、見た目の美しさとあわせて“庶民らしさ”が指摘されている。実際に、その庶民らしさは作ったものではなく、生粋のキャラである。1972年生まれというから私よりも3歳下で、少なくとも青春時代までを、私が居住するソウル市江東区(カンドング)で過ごしている。