ソロモン諸島の首都ホニアラの中国大使館(2022年4月1日、写真:AP/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国と南太平洋の島嶼国・ソロモン諸島が、広汎な範囲におよぶ安全保障のフレームワーク協議に調印する予定であることが、3月末、ネット上にその草案が流出したことで世界に知られてしまった。

 メラネシアを「自国の裏庭」といってはばからなかったオーストラリアにとっては、どうやら寝耳に水であったらしい。

 世界の耳目がロシアによるウクライナ戦争に集まっている隙に、中国が着々と南太平洋諸島の軍事拠点化を進めていたことの意味を考えてみたい。

危うい草案の中身

 この草案の写真がツイッターなどSNSで流れ始めたのは3月24日ごろだった。

 草案は7カ条あるが、重要なポイントを3つにまとめると以下のようになる。