PCR検査に並ぶ中国・上海の人々(2022年3月30日、写真:AP/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 人口2600万人の国際都市が3月28日、ほとんど予告なしにロックダウンした。上海市を浦東と浦西の2地区に分割して、それぞれ4日間ほぼ完全に人の移動を止め、その間に全市民のPCR検査をする、という。

 2020年1月23日から行われた1400万都市の武漢のロックダウン以来、中国では何度も都市封鎖が行われている。

 上海の場合、武漢と違ってわずか4日、東西地域合わせても8日という短期間で、終わりの見える封鎖だ。だから、さほど恐れるほどでもない、と思ったら大間違いだ。武漢よりもずっと外国人が多く、中国経済のエンジン部であり、国際社会へのショーウィンドーでもある上海でロックダウンが行われるインパクトは、2020年1月の武漢の60日のロックダウンに匹敵、あるいはそれ以上かもしれない。また、政治的な意味合いも感じるのである。

党内でも出ているゼロコロナ政策撤回論

 上海の新規感染者数はロックダウン2日目の3月30日の段階で6000人弱。無症状感染がほとんどだ。かつての武漢のように未知のウイルスに恐怖していたわけではない。それなのに、まる4日も家から一歩も外に出られないというのだから、市民の不満やストレスもさぞ大きかろう。